電気自動車充電設備設置の前に今一度ご確認ください

電気自動車充電設備設置の前に今一度ご確認ください

昨今のメディアや広告でも目にする充電設備について、販売施工を行う業者の目線から設置前に確認する事柄や設置後に関しての留意点を説明します。
まず、どのような施設、住宅でも電気の契約されているメイン配線には限りがあります(流される電気の容量)。基本的にはその余力の容量内で収まるべき充電設備を設置するのが望ましいのですが、現実には契約一杯の配線サイズや設備工事が施されてあり、十分な容量が余っていないのが実情であります。
EV車のバッテリー容量の高容量化が日進月歩で進んでいる現状を踏まえると、3KW充電がお勧めです。また、「100Vでも大丈夫だよ」と言われる業者さんもいらっしゃいますが、私たちは数年前より施工をメインで行っていますが多少疑問を感じております。
WEB広告等で「コンセントを付けるだけで〇〇万円」といった表記を目にしますが、それは今後のEV車の高容量化災害時のEV車の利用はほぼ考慮されてないもので、当社は数年先を見据えてEV車の有効活用、適正な設備の設置を心がけております。もちろん生活のスタイルは千差万別でありますので答えは一つではありませんが、一人ひとり、施設ごとの適正な設備というものがあるのものと捉えております。
簡単ではありますが最低でも下記の項目だけでも導入前に業者様ご確認をお勧めいたします。

一般家庭の場合

※EV充電装置は現在一般家庭の補助金はありません

1.現在の電気契約は何アンペア?

今の契約から10A上る事に基本料金は286円UP
契約の種類が沢山あるので利用時間、利用設備でお得なプランもあります

2.設置予定の充電装置は何KW対応?

3KWのコンセントの場合、高容量の車両(テスラ、アリア、外国車等)では想像以上の充電時間を要します

3.幹線サイズのご確認を

安易に新規の充電設備配線だけを大きくすればよいものではありません
適正なサイズ変更を要します
適正なサイズで施工しないと工事費用が高額になる恐れがあります

4.利用時以外の電気の遮断は出来るか?

第三者が勝手にコンセントを使えないよう、スイッチや鍵付きケースに収められているかのご確認が必要です

5.車載の充電器を利用するのか?

基本コンセントのみの場合は車載のケーブルを利用し充電されるのが主流です
そのような場合毎回遠方に行かれる方や長距離運転の方は毎度コンセントから取り外し積込を要します
しかも別途にケーブルを購入考えると7~8万円程必要な場合もあります
安価な物は国内の規格に適合していない場合がほとんどです

6.充電装置のケーブル盗難対策は施されてありますか?

充電のケーブル(コントローラー付き)は高価なものです
盗難対策はしっかりと行いましょう

7.EV車種は決まっていますか?

各車両により充電ポートの位置が違います
打ち合わせをせずに充電装置の位置を決めて施工すると後からケーブルが届かない、前向き駐車しかできないなど問題が発生する事例があります
EV車の普及に於いて現在の課題は、マンション等にて駐車場を利用されている方々が不便を感じていることだと私たちは考えております。
EV車を買ったものの
自分の駐車場には充電装置が無いため、ガソリン車と同じように最寄りの高速充電器を利用し日々煩わしさを感じている
最悪の場合はすでに充電中の車両が止まっていたり、パブリックエリアに於いてはEV車ではない車両が駐車している
ストレスを感じながら30分かけてやっと充電しても満足いくレベルまで充電できていないetc.
上記のような悲しいご報告を聞く場面が多々あります。私たちとしても何とかしてあげたいのですが……
なぜ自分の駐車場に充電設備がないのか?
それは電気の供給によるもので各区分ごとに電気は引き込みできないルールだからです。ルールを改正することは非常に困難であり、マンションに至ってはEV車所有の方と燃料車両との混在が挙げられます。
要するに電気自動車のガソリン代を他の区分所有者が共益費として負担しないといけないという不平等な話になってしまいます。
数年前より上記のような事例を解消するため数社の企業が不平等をなくすため利用者各々が料金を負担できる課金装置を発売しております。また、行政もこのような取り組みに対し補助金を工事代金100%、充電機器に対しては50%の補助を行い、少しずつではありますが設置の事例も増えてきております。
令和4年度においては前年の数倍の予算を組み込みマンションの充電インフラに注力しております。したがって今後はマンションの充電装置インフラは加速的に進むのは必然で、近い将来は全ての駐車場に充電装置が設置される計画で官民一体となって推し進めています。
下記にマンション(分譲、賃貸とも)に於いて設置時の注意事項を記載いたしますので、管理会社様、オーナー様がお悩みのインフラ整備に多少なりともお力添えできれば幸いです。

マンションの場合

1.共用部の電力に必要台数分の電気容量余力があるか?

基本は共用部の電灯回路からの供給となりますので配線サイズ等詳細な打ち合わせが必要となります
建築当時の図面も必須です(補助金申請に必要)

2.設置にあたり管理組合の同意が必要です

分譲の場合は駐車場利用者、区分所有者の同意書必要です

3.設置できる機種に制限があります

台数もJARI認証【一般財団法人日本自動車研究所(JARI:Japan Automobile Research Institute)】等制限がございます

4.課金装置のご利用と運用について

利用料金は管理組合に補填されます(金額は各課金業者により異なる)

5.工事にあたり工事内容を十分に把握してください

外部に露出や埋設配管作業を行う場合もありますので美観等考慮が必要です

6.業者選定の際は工事業者よりも
ノウハウが蓄積された課金業者等がおすすめです

補助金の申請等が煩雑で工事業者では外注依存になり申請に手間を取られます

課金について

課金装置に於いてはQR読み取り、スマホ決済、専用カード読み取り等多数存在しますので事前にご確認をお勧めいたします。
また、定額制や一律料金等様々な料金形態ありますので合わせてご確認願います。金額も事業者により違いますのでご注意ください。補助金の申請も100%ではありません。審査がございます。
EVの充電装置専用のメーターを設置することも可能です(課金業者名義)。全てではありません(電気事業者要事前協議)。結果までは多少の時間要します。
マンションで引込線を改修しなければいけないなど、申請者都合による電力会社への負担金が発生する場合がありますので事前協議は必須です。高額になる場合もありますのでご注意ください。

EV車や今後の電気需要について

電気は生活に欠かせない重要なインフラではありますが、その分利用できない場合に大きな影響を及ぼします。震災時の計画停電や緊急時に電気が無い不便さ、携帯電話さえ使えない不安など、出来ることならば二度と経験したくはありません。
令和4年3月22日にも猛烈な寒波が関東を襲い、電力会社の需要率も供給の100%を超えると予想され、エリアはわからないが計画停電のおそれありと報道されました。夜に突然電気が消える不安を感じながら過ごした苦い記憶です。
そのようなことが今後起こらないとは断定できません。逆に近い将来起こり得るものと考えるのが賢明です。自己防衛としては太陽光、蓄電池、V2H、EV自動車等を活用し、最低でも電気が復旧できる数日間の備えが必要な時期が来ると思います。
2019年9月、台風15号の影響で大規模な停電が続いた千葉県内の避難所や福祉施設で「日産リーフ」が動く蓄電池として活用されたのは皆さんご存じかと思います。
そのような事案により現在多様な補助金政策を国、自治体が打ち出しておりカーボンニュートラルに対しての施策も増大中ではあります。EV車の外部電源取り出し、太陽光の高効率化、蓄電池に至っては新技術の採用で数年前の数倍の容量にまで上がってきています。様々な商品新技術を取り入れながら自分でできる範囲の防衛措置を考えていく時期に差し掛かってきたのではないでしょうか。
理想は太陽発電を自宅で行い、外出中には余った電力を蓄電し、夜間の電力でお湯を沸かし日々のランニングコスト(光熱費、ガソリン代)を削減しつつ、非常時の電源供給に役立つ設備を設置することです。
今後、電気自動車は移動の手段だけでなくインフラを担う重要なバッテリーの役目も兼ね備えていきます。各自動車メーカーの高容量化も進んでいくでしょう。その際に小さな充電設備だけで対応できるかは疑問です。ただ充電コンセントを付けるだけではなく、数年先を見据えた設備投資を補助金の助成もふまえて私たちと考えていきませんか?
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